飛行夢(そらとぶゆめ)

昔から、空飛ぶ夢をときどき見ていました。

けれどもそれは、大空高く舞うように飛ぶ夢ではなく、せいぜいが電線の高さほどの低空飛行。ときには、地面すれすれをすべるように飛んでいたり、飛ぶというより跳ぶと言った方がいいような跳躍を繰り返していたり。そして、そんな夢を見た後には、決まってくたびれ果てて目が覚めるのでした。

夢占いというものにはさほど興味はありません。また、文化や環境によって個々変わってくるであろう事物による夢診断というものにもあまり関心がありません。けれど、寝ている間、記憶を整理しつつ、無意識の意識をさりげなくわたしに伝えてくれる夢というものには、できるかぎり耳を澄まそうと思っています。

何かから逃げていたり、何かに怯えていたり。何かがうれしかったり、何かに期待していたり。自分が気づいていなかった感情にはじめて気づいて、現実世界でその感情に対する処置をしてあげることも少なくありません。

夢の中くらい何もおそれずに大空を飛び回ればいいのに、そんなときでさえ低空飛行だったわたし。飛ぶのがこわいなら土の上を歩けばいいのに、それもしなかった夢の中のわたし。願望への期待、失敗への不安、地道な努力の拒否、そんなものがないまぜになって、もう何年も何年も、そんな夢を見つづけていました。

それが変わったのは、ここ1年ほどでしょうか。最近のわたしは、元気よく空を飛び回っています。なぜか、以前は持っていなかった、帚にまたがって。この帚が、妖精様を意味しているのか、仕事を意味しているのか。いずれにせよ、それらの助けによって、今のわたしは以前よりちょっぴり自分に自信が持てるようになったみたいです。

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