ハリー

妖精様に先を越されてしまいました!何って「ハリーポッター」です。本屋でチラっと見かけて面白そうだな〜と思っていたら一気にブームに火がついて。あわてて買ったはいいものの、本棚をよく見たら数年前にイギリスで買っていたハリーの原書が見つかって。ありゃ〜どっちで読むかいな、、と思っているうちに妖精様に先をというわけです。洋書を読まないうちに邦訳が出てしまうというのはよくあることです。そしてそうなると、どっちを読むべきかヒジョウに迷うというのもいつものパターンです。

ハリーの邦訳を出した静山社という出版社。聞いたことない名前だなと思ったら非常にちいさな会社のようですね。そういったことは本の後ろについているISBNと呼ばれる10桁の数字を見ればわかります。ISDNは「言語番号-出版社番号-品番-認識番号」という4つのパートにわかれていますが、それぞれのパートの桁数はそのときどきで違っても、全部の桁数は常に10桁。つまり、言語番号や出版社番号の桁数が大きくなれば、それだけ品番に割りふれる桁数は少なくなるというわけです。別の言い方をすれば、言語番号や出版社番号の桁が少ないものは、それだけ出版点数が多いことが見越されているものだということ。逆もまた真なりです。

例えば日本語の言語番号は「4」。岩波書店の出版社番号は「00」。岩波書店の出版物は「4-00-xxxxxx-x」という形で表わされ(認識番号はチェック用番号なのでそれ自体に意味はありません。常に1桁)、999999冊まで品番を割り振ることが可能となっているわけです。もちろん足りなくなった場合には新たに出版社番号を割り振ってもらうことはできますけれどね。

余談ですが、日本という国だけでしか使われていないと言ってもいいこの日本語という言語に1桁の数字が割り振られているというのは、驚異的です。数カ国で使用されている英語やフランス語などの言語に混じって日本語が1桁となっているのはつまり、日本がいかに本の出版点数の多い国かということを示しています。

さて、それでは話を元に戻し、くだんの静山社は‥?と見てみると、ハリーのISBNは「4-915512-37-1」。当分の間は99冊以上は出版しないだろうと想定されているちいさなちいさな出版社なわけですね。こんなちいさな出版社が大出版社の間をぬってこのようなヒット作を飛ばすと思わず「でかした!」と思わずにはいられません。

++ ハリー・ポッターと賢者の石 J・K・ローリング 静山社 1999

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