恵まれてるんだよね

わたしが今、乳がんの治療で通っている病院は、中規模なところ。

公立でもなく大学病院でもなく。いくつかの設備は古いかもしれないし、放射線治療の際には設備がないので近くの提携病院に行かなければいけない。でもね。なんだかとても心穏やかになる恵まれた病院なのです。

人が、みな親切で。

主治医は、女の先生です。わたしより少し上かな、40代くらい。小柄でちゃきちゃき。頭の回転も早く、気も利いて、こちらの家庭状況もきちんと考慮してくれる気持ちのいい人、そして勉強家。乳腺外科…ではないのだけれど、乳腺を専門に勉強されていて(勉強中かな)有明の癌センターなどにいらしたこともある模様。マンモで怪しい結果が出たときからずっと診てくれていて、信頼しています。じじは、ネットででもいい病院を探した方がいいぞ、と言っていたけれど、わたしは最初からこの先生が気に入ってしまったので、他に移る気はありませんでした。

看護婦さんたちも、みないい人。ちょっと技量不足かなと感じる人もいるけれど、それもまぁ愛嬌、みな人間味があって親切です。いちばん接触の多い、点滴を担当してくれている化学療法室の看護婦さんとは、最寄り駅が一緒だということでよく地元話やこども話などをしています。

そしてもう一人。主治医の先生と同じくらい信頼しているのが、そばにある薬局の薬剤師さん。ここは、病院そばにあるいくつかの薬局の1つで、外部の薬局ではあるのだけれど、病院との関係も密接で、専門性もとても高く感じます。中でもわたしを担当してくれている(普通はたぶん担当というのはないのだと思うのだけれど、わたしが若めのがん患者ということでか、薬局内でもちょっと特別な対応をしていただいています)薬剤師さんは、比較的規模の大きいその薬局でもおそらく実力はトップクラス。女性でわたしより少しだけ上かなと思われるその薬剤師さんは、あったかくて、親身で、一言二言話しただけですぐ頭のよさがわかるような、そんな方。1回目は、丁寧に20-30分くらいかけて薬や今後の病状の説明をしてくれ、2回目も窓口担当ではなかったのにわたしの姿を見るや奥から飛んできてくれ。3回目の今回も同じように奥から手を振って対応に出てきてくれました。前回、2クール目が延期になり来られなかったときは、心配して病院まで電話くださったとのこと、こんな親切な人って!

病院は、みなに平等な医療を、というモットーを掲げているようなところで、差額ベッドなども置いてません。立場の弱い人にやさしく、そのせいかな、お年寄りや外国の方の姿が多く見られます。そんな病院なので、若い患者は案外少なく、わたしがこまめにつけていっている「患者日誌」のメモが、主治医にも看護士にも薬剤師さんにも、参考になるわと喜んでもらえているようです。わたしのできる数少ない恩返しかなぁとこれからも頑張ってつけていく所存。

手術のときの、麻酔科の先生もやさしかった。50代半ばくらいの男性なのだけれど、手術チームのムードメーカーという感じで、わたしやチームの緊張を笑いでほぐしてくれて。手術チームの1人の看護婦さん、60近い感じの方の手も温かかった。麻酔がはじまりわたしが眠るまでの間、ずっと手を握ってさすってくれていました。これが、ままの手に似てたんだなぁ。ぶあつくて、体温が高くて。すごく温かかった。

そんな人間味のある病院で、治療は確かにつらいけど、たくさんのやさしさに囲まれながら、納得しつつ治療を受けています。恵まれています。

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