やはりカメラネタ

カメラとひと口に言ってもその写りは様々です。匂いが写るカメラ。音が写るカメラ。気配が写るカメラ。‥もちろん本当に写真から匂いがするわけじゃないし音がするわけでもない。けれど確かにカメラによって「匂いのしそうな写真」が得意なモノもあれば、「音が聞こえそうな」写真を得意とするモノもあるのです。

いいカメラという表現は微妙です。人によってカメラとの相性は違うから。でもむちゃくちゃシャープな写真がとれるものでも音も匂いもなにも感じられないカメラは愛されづらいかもしれない。むちゃくちゃピントが甘くても周りの喧噪が写っていたり味が写っていたりするものは多くの人に愛されるかもしれない。視覚以外の五感で何かを感じられるカメラがいいカメラと言われるのかもしれない。

人にもそれぞれ得意な感覚があると思う。視覚。聴覚。味覚。嗅覚。触覚。カメラの得意なそれと自分の得意なそれが噛み合ったとき、そのカメラは自分の代弁者になるのかもしれない。

わたしの場合それは触覚だと思う。自分の五感のなかでいちばん鋭いのは触覚だと思う。特に空気に対する触覚。(もはや触角?)

LOMOは空気の流れを写す。空気の湿度や温度。空気の動き。だからそこに写るのは時間。LOMOの写真には写された時とその前後の時間が写っている。

G1も空気を写してくれる。一瞬の空気。瞬間の空気。G1はその瞬間をそこだけ切り取るように写す。前後の時間のない、まさにその一瞬。その時その場所の空気をパキッと切り出すように。

LOMOの時間が線ならG1は点。2つのカメラは明らかに違う。どちらが好きかはもう後は好みだろう。自分の五感にどちらがより共鳴するか。どちらもダメな人だってもちろんいるだろう。

3-4年前に初めてG1を買ってから、いろいろなカメラに手を出してきました。家で見つけたオンボロのオリンパスペンEE。中古ヤシカに、中古ニコンFM。リコーGR10。そしてLOMO。安月給(時には無給)だったわりにはよくいろいろと浮気したものだなと思う。買ってみてはなんか違うと思ってがっかりする。そんなことを繰り返し、ヤシカは妖精様に、FMは弟の手に渡っていきました。残っているのはG1とちいさなカメラたち。その中でわたしが愛するのはG1と何故かペンEE。温度が写る。音が写る。ペンもまた、わたしには奇妙に魅力的なカメラです。

0 Responses to “やはりカメラネタ”


  • No Comments

Leave a Reply