Monthly Archive for 11月, 1999

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お正月

気が早いようだけれど、もうすぐお正月。お正月、GW、夏休み、SWと少なくとも年4回は長めの旅行をしてきたうちの家族だけれど、今年のお正月はどうやらこどもたち2人が抜けそうな雰囲気。弟は例によって友だちとスキーへ。わたしは妖精様について関西に里帰り。

GWからはじまってすでに数回わがやの旅行をすっとばしてきたわたしだけれど、お正月もとなるとさすがになにやら感慨深い。

紅白の裏番を観る大晦日。近所のそば屋さんから年越しの出前をとる大晦日。ゆく年くる年を観ながらしみじみ鐘の音に聞きいる大晦日。朝起きてすぐもらうお年玉。近所で買ってきた手抜きのおせち。父親と弟にはほとんどこない年賀状。おこたでみかん。おこたでお雑煮。おこたで麻雀。年賀状書きに追われる三元日。応援校のシード権争いに一喜一憂する箱根駅伝。

そんなこんなのどうでもいいようなのんびりしたお正月は、それでもやはり一年で一番家族が一緒にいるときで、それを来年からはこれまで過ごしてきたこの家族ではなく妖精様と過ごすのだなぁと思うと、やっぱりこう、なんというか、「ほほぅ」という感じがするのです。

冬の雨はイギリスの匂い。

日本ではカラッとしてなかなかに清々しい冬だけれど、イギリスの冬は暗く重く気が滅入る。ヒースローからケンブリッジへ向かうコーチ(長距離バス)の中、どんより低く垂れ込めた灰色の雲間からひとすじ射した薄く頼りない光を「2週間ぶりに陽が出たのよ」なんて言われちゃった日には、、

ただでさえ寒い冬の日にしとしと朝から雨が降り、みんな情けない顔で会社や学校へ向かう。中央ヨーロッパ全体を映す天気予報ではいつでもイギリスだけが雲の下。いかにもぶ厚い雨雲は、眉のすぐ上まで降りてきているかのようで、ああ、目の上のたんこぶっていうのはこのことかと実感する。

冬の雨はイギリスの匂い。

そんな憎らしい冬ですら、遠く離れると懐かしく感じてしまうのだから人間なんてほんと、勝手なもの。

指輪物語

テンポのゆっくりさに古き良き時代を感じる指輪物語。今読んでもそれほど目新しいところはないのですが、それこそハイファンタジーの祖と言われる由縁。現在わたしたちの親しむファンタジーのほとんどが指輪物語からはじまったとも言えるのですから、まぁそれも当たり前なのでしょう。

指輪物語のすごいところは、わたしたちの住むこの世界とは別の世界を新たに創り上げてしまったところにあります。歴史、種族から言語まで。鏡の中や床の下やワードローブの中など日常生活の中に別世界が潜んでいたそれまでのファンタジーと、ここが大きく違うところです。ファンタジーRPGをやる人などにはすっかりおなじみのホビットという種族ももとはと言えばトールキンの創造ですし、エルフが長身金髪という形に落ち着いたのもトールキンからだったと思います。もともと言語学者だったトールキンは、実際のストーリーの中にはほとんど顔を出さないエルフ語やドワーフ語までその言語構造から考えていたというのですから舌を巻きます。単純と言えば単純なストーリーですがそれが決して薄っぺらでないのは、この見えない背景あってのものなのだなぁと思います。

エルフ語が見たいならトールキンの絵本「サンタクロースからの手紙」。世界を創造した別の物語が読みたいならル・グインの「オールウェイズ・カミング・ホーム」がおすすめです。これはすごい!

++ 新版 指輪物語(全7巻) J.R.R.トールキン 評論社 1992
++ サンタ・クロースからの手紙 J.R.R.トールキン 評論社 1976
++ オールウェイズ・カミングホーム(上下) ル・グィン 平凡社 1997

テディベア

いよいよお客様にも引越をお知らせして店頭で「ひっこしセール」を開始しました。クリスマス時期ともあいまって、まずはなかなかの出足。ちっちゃなツリーを店先に飾るだけでなんとなく来客数が増えるから不思議なものです。わたしたちとしても最後の2か月。悔いの残らないよう忙しい季節を力一杯駆け抜けたいと思います。

今月、お店の彩りを添えているものにテディベアがあります。数年前のイギリスブームとともに何となく名前は聞くようになったテディベアですが、ハッキリした定義はあるようなないような‥(笑)ルーズベルト大統領がどうのとかドイツのシュタイフが最初だとかいろいろと語るネタはあるのですが、ようするに「くまのぬいぐるみ」のことです。日本では「(くまの)ぬいぐるみ」と「テディベア」はなんとなく区別されているようなところがあり、ジョイントがついて手足が動くようになっていたり1つ1つ手作りだったりするとテディベアと呼ばれやすいのですが(つまり、よりこだわりをもってつくられているものがテディベアと呼ばれやすいのですが)、実際のところ、テディベア発祥の欧米ではあまりその辺りの区別はないように思います。

テディベアメーカーとして有名なものにドイツのシュタイフ社やイギリスのメリーソート社がありますが、今回、店で並べているのは、日本人のテディベア作家たちが1つ1つ自分の手でつくったベアたち。スタンダードなものから和風なもの、ポップなものまで彩りも鮮やかです。名前が知られるようになったとは言え、まだまだ一部のデパートや専門店などでしか見かけることのないテディベア。これまでベアなどに興味のなかった人たちがなんの気なしに入ったお店でたまたま見つけてヒトメボレなどしてくれたら楽しいなぁと思って企画しました。ベア作家さんに限らないことですが、新しい(これからの)作家さんたちと知り合いになれるという意味でも、お店自身が楽しんでいる企画です。

J-スカイウェブ/J-スカイウォーカー

j-phone の新サービスがついに発表になりました。「カラーでインターネット接続できて音も出る!」そんな売り言葉の新サービスだけれどーー

イチバン気になるのは例によってパソや他社ケータイとの互換性の部分。当初の発表では「i-mode用ページもcdmeOne用ページも見られる」とのことだったけれど、今回の発表では「MML(Mobile Markup Language)で記述されたページの閲覧が可能」とのこと。MML?またなにやら新しい言葉が (-“-) さっそく確認のためにj-phoneに問い合わせてみました。

その結果わかったのは、12月10日からはじまるはずのサービスなのに「HTMLやコンパクトHTMLやHDMLとの互換性」についても答えられないくらい、詳細が未定だということ。「未定」なのではなくてまだ口止めされてるから言えないだけなのかな?と思ったけれど、どうやらそうでもないらしく、なんらかの障害によってサービス内容が本当にフリダシに戻っちゃったみたい。それが技術的な障害なのか他社による障害なのかまではわからなかったけれど、いずれにしても大丈夫なのかj-phone?という感じはしちゃいました。これまで独自の開発・独自の技術というよりは、漁夫の利的手法とってきた(ように思う)j-phoneだけれど、そろそろそれも限界なのかなぁ‥。

そんなわけでMMLについてわかったことと言えば、既存の言語ではなくてj-phoneのオリジナル言語だということのみ。これがHTMLなどなどをどこまでカバーしているかが勝負の分かれ目だなぁ。その辺りは、j-phoneのページで発表があるのを待つしかなさそうです。

なお、同時に発表となった、やはり来月10日からサービス開始予定のJ-スカイウォーカーは、これまでのスカイウォーカーの強化版。全角3000文字までの送受信が可能となるサービスです。サービスに対応した新機種(シャープ製が発表になってます)のみで利用が可能となりますが、これまでのスカイウォーカーとは別にメールサーバが用意されるとのことで、少なくともしばらくの間は遅延ナシが期待できるかも‥?

また、i-modeとcdmaOneとの張り合い(?笑)を利用したケータイネットなんていうサービスも登場しました。ケータイ、パソコン、その他いろんな端末から見ることのできるHPをつくる(自分でつくれる)有料サービスなのだけれど、さて、どうなのでしょうね?

++ Mobile Central J-スカイウェブ/J-スカイウォーカーについての記事
++ ケータイネット 各種端末で見られるHPがつくれます。(有料)