ババと台所

毎日、夕方から、ババと台所に立っています。

何もすることがなくて(時代劇チャンネル見て、お酒を飲むことくらいしかやることがなくて)このままではあっさりぼけてしまいそうなババに、会話と、やることを提供するために。そして、ままから教われなかった料理の知識をわたしがババから教わるために。

味覚も視力も食事への熱意も最近ではあまりなくなってしまったババに主要部分をまかせるのはもはやちょっと難しいかなと思って(本当はその辺りを任せるのがいちばんのボケ防止かなとも思うのだけれど)、実際にはこれ切って〜あれ洗って〜と簡単な下ごしらえを手伝ってもらっているくらいだけれど、それでも学ぶことは多い。この野菜はしばらく水につけてあく抜きしておく、だとか、これは茹でた後にすぐ水にさらした方がいい、だとか。料理の本に載っていないそんな小さな知識を仕入れられるのはとてもありがたい。

なにより、ババと台所に立つようになって、初めて知ったことなのだけれど、ふたりで台所に立つのって、楽しい!

おしゃべりと。
互いの手を見ながらの連携と。
二倍のスピードでできあがっていく料理と。

こんなに楽しいことならば、ままとも一緒に台所に立てばよかったなぁ。ひとりで立ってもふたりで立ってもどうせ同じだと思っていたけれど、こんなに違うものなんて。娘とふたり台所に立つこと、ままも憧れていたのではないかなぁ。ようやく退職して、ままにも時間の余裕ができて。わたしも同じ家にいて。もったいないことしたなぁ。

母と娘、湯布院あたり行きたかったとか、ランドセルいっしょに選びたかったとか、ほたるがもちょっと大きくなったらケーキバイキングに行きたかったとか、いろいろ、いろいろ、あるけれど、でも今ならいちばんやりたいのは、いっしょに台所に立つことかもしれないなぁ。

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