Monthly Archive for 3月, 2000

プール開きの日

年に何度かフと感じることがあります。

「あ、きょうはプール開きの日。」

いったい何ゆえにプール開きなのか。十数年前のわたしにとってその日がいったいどんな意味をもっていたのか。今となっては遠い記憶の彼方だけれど。湿度。匂い。気温。そのどれに自分が反応しているのかだけでも知れたらな、と少し思う。

少年めげやすく

職、得がたし。先日の面接はアウトでした。土日出勤がネックでした。今日も別のところに面接に行きましたがこれも駄目そうですね。退職理由が結婚だとわかると「じゃあこどももいつできるかわからないし長くは続かないわね」とあっと言う間に言われてしまったから。うーん。バイト探しってこんなに難しいものだったっけ?曜日。時間。場所。かなり制約があることは確かなのですが、なかなかうまくいかず、ちょっとヘコんでます。

きれいな

きょうはたくさんの日記に「ビューティフルライフ」の文字が躍っていることでしょう。最終回。ラスト20分間だけこのドラマを見たわたしは1年前に死んだ友だちのことを考えていました。自殺でした。
niftyの音楽forumで知り合い仲良くしていた彼女とは、もう随分長いこと連絡をとっていませんでした。わたしがniftyからinternet中心の生活に移ってしまったから。ある晩夜中の3時ごろ、微かに名前に覚えのあるnifty時代の知り合いから電話があり、彼女が亡くなったことを知りました。病気を苦にしての自殺、と聞きました。本当の理由はわかりません。

翌日は店を1時間早く閉めてお通夜に向かいました。わたしが駅に着いたとき既に案内人の姿はなく、そこではじめて地図も斎場の名前さえもメモしてこなかった自分に気づきました。近くの電話ボックスで駅周辺の斎場を探し、電話で道順を確認し、変に頭が冴えたような状態で、聞いた道を辿りました。まだ実感は湧いていませんでした。

斎場に近づくにつれ、表に出された白い看板が目に入ってきました。そこにいつもメールで見ていた彼女の名前を確認した途端、すべてが現実となりました。身体から分離していた頭が一気に身体の一部に戻り、ああ、と思ったのをよく覚えています。本当のことなのだと十分承知していたにも関わらず、名前を確認した途端に、ああ、やはり本当なのだ、と。

自動ドア越しに見る斎場には、すでに家族の方と斎場の方らしき姿しかありませんでした。みな静かに何かを待っているようでした。自動ドア越しに、じっと、15分くらいそこにいたでしょうか。やがて斎場の方が入口で立ち尽くしているわたしに気づいて迎えに来てくれました。そして家族の方のもとへ連れていってくれました。

静かな、空気。

すでに全ての涙を流し尽くしてしまったかのような。すでに悲しみの一線を越えてしまったかのような。強くて透き通った静寂がそこにありました。

「顔を見て行ってやってください。」

とお父様が言われました。壇に昇り、柩の扉を開け、トモコちゃんの顔を覗き込んだわたしに、隣りからお父様が静かに

「きれいな顔をしているでしょう?」

と言われました。本当にきれいな顔で、わたしの知っているトモコちゃんの顔で、最初に会った16歳のときから4年、しばらく会わないうちに少し大人びて20歳の女の子になっているトモコちゃんの顔で。このお父様の言葉を、わたしは一生忘れることができないでしょう。どれだけの涙を流したら、これほど静かな言葉を発することができるようになるのだろう。今泣いているわたしなどより数十倍も数百倍も悲しみは大きいはずなのに、慰められているのは慰めなければならないわたしの方で。自分があまりにも無力で。

目の大きな女の子でした。みんなの前ではいつも元気一杯な女の子でした。すべての女の子を応援してくれているような女の子でした。わたし1人でトモコちゃんの運命をどうにかできたとか、そんなことを考えるのはとてもおこがましいことでしょう。でも、何かができたのではないかと今でもやはり思ってしまう。わたしはちゃんとトモコちゃんの友だちでいれただろうか。わたしはちゃんとトモコちゃんを愛せていただろうか。

お通夜から2-3日。空気の中に、風の中に、いつもどおりのトモコちゃんのまぶしいほどの笑顔が、幾たびも幾たびもきらめいては消えていきました。

リトル・園芸

ネギを育てはじめました。台所、窓ぎわのリトル園芸です。インスタント(コーヒー)の空きビンで育てられているネギは驚くほどのスピードですくすく成長しています。毎日の単調な台所仕事にこれで変化がつくのだから、たいしたものです。ネギという辺りがいかにもわたしたちですが‥。

本当はお庭で園芸。もやりたいのです。東京下町風の草花園芸も涼しげでいい。イングリッシュガーデンも穏やかでいい。せっかく1階に住んでいるのですから、しかも陽当たりのいいテラスもあるのですから、あとはその気になりさえすれば‥!

でもじつは土いじりが苦手です。毎日の水やりも苦手です。うちのお庭に花が咲くのはいつになることやら。

ラブラブ

毎年の結婚記念日に写真館で写真を撮る夫婦(こどもができてからはこどもも一緒に)というのが雑誌に紹介されていました。いいですね。年ってあっという間にとってしまうものだし、こどももあっという間に大きくなってしまうものらしいし。年に1回。毎年毎年この日だけはちょっとかしこまって写真館。後から見て記念になるでしょうね。

いいなぁ〜と思って、でも写真館というとなにやら恐れ多くて、そこでわたしたちは毎年毎年記念日にそれぞれの写真をそれぞれが撮ることにしました。ちょっといいでしょ?えへ。決まりごとは、その日のうちにお互い必ず相手の写真をフィルム1本分撮り切ること。24枚撮なら24枚。手ブレの嵐でもピンボケでもきっとすごーくいい写真が撮れることと思います。

写真と言えば、lomo。来ましたよ〜!記念日に間に合うように注文したものの、途中トラブルがあったりなんだでどきどきモノでしたが、無事、到着です。おもちゃカメラなのですけれどね、なんだか重さがいいのです。軽すぎず。重すぎず。心地よい重さです。今はまだ試し取りを2枚ほどしただけ。lomoの本格デビューは記念日当日の予定です。

さて、まるきり話は変わりますが、国立国会図書館のweb検索がはじまりました。もう待ちに待ったサービスの開始です。なにせ国内で発行された書籍はすべて蔵書として持っている(ことになっている)国会図書館ですよ。それこそ本探しに従事(?)したことのある者にとっては神様のような存在です。それをあの無愛想な司書たちを通さずに検索できるとは!惜しむらくはすでにわたしが隠居の身ということ。嗚呼‥!

++ 電子図書館 国立国会図書館。蔵書数では他を圧倒しています。
++ online版「書籍総目録」 書店界で流通している書籍のみ検索可。
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++ Webcat 大学図書館を中心に全国の図書館蔵書を網羅。利用価値大。
++ 横浜私立図書館 ローカル図書館の1つの形。