縛られ感

この縛られ感はなんなんだろう。

この半年ほど、つまりままがいなくなってしまってから、家にとてもとても縛られています。いや、縛られている感じがしています。

ままがいたときには、じじやばばはままの直轄にあって、さらに言えば、わたしもままの直轄にあって、わたしの管轄に、ちちとほたるがいた。

 まま ー じじ
    ー ばば
    ー わたし ー ちち
          ー ほたる

家のこと一切をやってくれていたのは(はずかしながら)ままだったから、家事はほとんど気にしなくてよかったし、平日の日中、仕事や用事で外に出かけるのにもなんの遠慮もいらなかった。行ってくるね、でよかった。土日も、まま&じじ&ばば、わたし&ちち&ほたる、と、分かれて行動するときには、そんな感じの分かれ方だった。どこに行くにもほぼ自由。

けれど、今。すべてがわたしの管轄下。

 わたし ー じじ
     ー ばば
     ー ちち
     ー ほたる

家事をやらなければならないのはもちろん(最低限しかやってないけれど、それでも日に2時間くらいはとられてしまうかな)、なにより辛いのは、気持ちが縛られてしまうこと。

平日日中。家事に2時間とられたって、残りまだ数時間はある。仕事や用事ででかけることだって、時間的には十分可能。それだけど。実際には、ばばのことが気になって、電車に乗っての外出はなかなかできない。介護というところまでは行かないけれど、家の中まで付き添わねばならないほどではないけれど、目や物覚えがだいぶ悪くなっていて、ときどき鍋を焦がしたり、包丁で手を切りそうになったりするから、安心はできない。気の強い人ではあるけれど、同時にすごく弱いところもあり、過去に躁鬱の診断をされたこともあるし、アルコール依存気味でもあるから、わたしが出かけたときなどは、大抵、帰ってくると(さみしさに負けて)ベロンベロンになっている。これは本当に(酒に逃げる人間が嫌いなわたしには)たまらない。飲んでるときと飲んでないときでは、おおげさでなく、ジキルとハイドくらい性格が違ってくるのだから。

土日。じじとばばだけで、もっと仲良く楽しく過ごせれば気が楽なんだけど。似た者同士の気の短い親子。ぶすっと会話もなく、それぞれが酒を飲んで過ごしたりする。それが高じて、けんかになることもしょっちゅう。ばばはまだ自分のごはんくらいは適当に(もう年寄りなので量も少ないしあまりこだわりもないので、本当に適当に)つくれるけれど、もう人のごはんまで気にかける感じではないので、わたしたちがじじを残してどこかへ出かけると、じじは(どこかに食べにでも出ればいいのに)ペヤングでも食べながら、機嫌を悪くしている。それで土日もなかなか自由な行動はできない。

そんなこんなで、最近では、電車に乗るのは、数週間に1度程度。ちょっと考えられない頻度でしょう?

毎日、保育園に送って、買い物行って、お迎えに行って。外出はそれくらい。あとは家で仕事をしたり、用事を済ませたり。ままがいるときには、毎月ちゃんと消費していた自分のおこづかいも、ここ数ヶ月はほとんど手つかずです。

もともと出不精な性格だから、そうでない人よりはましだと思うけれど、それでもさすがにこれは、わたしでもストレスがたまる。出不精だからって、自由まで放棄しているわけではない。自由の中で自分で外出しないことを選ぶのと、そもそも自由がないのとでは話が違うよね。

でも。

これは、わたしが自分で思い込みすぎてるのかな、とも思う。思い詰めすぎているのかなーと。勝手にばばのせいにしているだけで、ほんとうはそんなに心配することなく、もっとどんどん出かければいいのかなとも思う。別に行くなと言われているわけではないのだから。

でもね。

帰ってきて、ぐでんぐでん、目が据わって、言うことだけは強気で、ろれつの回らない、よろよろ歩く、酒くさいばばを見るとね、がっくりくるんだよね。がっかりするというか、うんざりするというか、情けないというか。行くときは気持ちよく送り出してくれたのに、また結局飲んじゃったのか。また酒に逃げちゃったのかって。

ばばのことを想っているとかそういうのじゃなくて、それへの嫌悪感で、あれとまた向き合わないのがいやで、わたしは自分を家に封じているのかもしれない。(次回につづ…きそうな予感。)

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