何日か前の新聞に、脳内ホルモンと性格についての記事がありました。乳がんとはまったく関係のない記事であったけれども、その中の、
交渉型はエストロゲンです。全体像を描いて長期的な計画を立てられ、社交性や言語感覚に優れている。
という部分に、「あ!」となりました。
これはまさにわたしが今年に入ってから足りないのを感じ、悩んでいたことであり、わたしが今(ホルモン治療によって)抑制されているのこそがこのエストロゲンなわけです。つまり、
全体像が描けず、
その日1日のことを考えるのが精一杯で、
言葉がまとまらない、話がまとまらない、
というこれらの諸症状は、まぎれもなく、エストロゲン抑制によるものだということなのでしょう!
そうじゃないかとは、思っていたのです。直前の自分と比べても、あまりに頭が働かず、もどかしい毎日。でも、これらの症状1つ1つは、言葉に出してみると、どれもとても曖昧で人に伝えるのがむずかしい。こんなのわたしじゃない!と、心の中では強く感じられても、言葉にして外に出した途端、その強い自信ははかなく消えてしまう。
気のせいじゃないの?
ただの年のせいじゃないの?
家族や医師に伝えてみても、冷やかし半分のそんな言葉が返るばかりで、そう言われてしまえば、二の句が継げない。じわじわそうした症状が出るならともかく、こんな数ヶ月の間に急に出てきた症状なのだから、年のせいなんかではないはず、そう思っても、それが証明できない、薬の副作用なんだ(だから今だけ、大丈夫)と請け合ってくれる人がいない。もどかしく、情けなく、心許なく、くやしい日々を送っていました。
でも、この記事を読んで。
やっぱりそうなんだ、薬の副作用だと考えていいんだ、とわかり、ほっとしました。ようやく理解者を得たような。だって、これらのことは、以前は自分の中では、どちらかというと自信のあることだったから。全体を見渡して、話をまとめること。自分なりに自信を持っていたその能力が突然失われてしまい、自分がとてもつまらない人間になったように感じました。自分の中ではこんなにも落差を感じているのに、まわりの人にとっては(すぐそばにいる家族にすら)たいしたことではないようで、それもまたみじめでした。
でも、そう、薬のせいなんだ。そう考えていいんだと、それがわかって、すごくうれしい。
うれしいあまり、数ヶ月ぶりにブログを更新してしまいました。ただいま。3月くらいまで、本当に頭が働かず、何もできない日が続いていました。4月に入ると、頭は少しずつはっきりしてきたものの、ほたるの入学で慌ただしく、5月にはPTAの役員などになってしまいその仕事に追われ。落ち着いたら落ち着いたで、今度はまた(調子に乗って)wowなどはじめてしまい。ブログの方はすっかり足が遠のいてしまっていました。心配してくださった方がいたら、ごめんなさい。
体調は、ぼちぼちです。乳がんに関する限り、今つらいのは、からだではなく、さきほど書いた通り、こころ(頭)の方。あと5年もこれ(自分が自分でないような状態)が続くと思うとげんなりするし、ブルーにもなるけれど、3月までと比べれば今はもう少し頭も動いているし、少しずつ身体が調整していってくれるのかな。(だといいな。)
あとは、首が痛いというの。どこかでこれまでに書いたでしょうか。ちょうど昨年の抗がん剤の頃からなので、その副作用なのかなと様子を見ていたけれど、どうやら違うらしいということで、整形外科へ。「頚椎症」の病名をいただいてきました。これはたぶん、若い頃の本屋での重労働や(女の子ばかりの職場だったので、本のぎっしり詰まった段ボールや、重い什器なんかもガンガン動かしてた)、毎日のノートブックでのパソコン仕事のせい。あとは、抗がん剤の間、ベッドの中でDSしたり本を読んだりしていた、その姿勢も悪かったのかも。今は、週数回、首の牽引に行ってます。でもこれは根本的な解決にはならないのかな、牽引して数日は少し楽だけど、すぐまた痛くなります。痛くて、ちょっと気持ちわるくなる。首が痛いと、ノドの違和感が増す気もするので、ずっと言っていたノドの違和感というのは首からだったのかも。パソコンの前にずっといられないのがつらい今日この頃です。それからそれから、耳の聞こえが悪いというの、これも前に書いたでしょうか。これまた抗がん剤の副作用かなと思っていたけど違うようなので、耳鼻科に。痛くないタイプの(浸出性)中耳炎あたりかなと思っていたら、これにもまたややこしい名前がつきそう。確定ではないのだけれど(今度、大きな病院でMRIを撮ってくるよう紹介状もらった)、日本人には珍しい「耳硬化症」という病気の可能性が高いらしい。ちょうど人間の話し声の音域(中音域?)が聞き取りづらくなるらしく、うーん、エストロゲン抑制による理解力・言語能力の低下とあいまって、人との交流がとりづらい人になっちゃいそうですよ。
そんなこんなもありますが。つるっぱげで、吐き気と戦っていた昨年の夏に比べれば、今年はだいぶ普通の生活が送れています。いつも通り、帰省して。いつも通り、プールも行って(わたしも入って)。ありがたいことですね。
まとまらない頭で、読み苦しい文章になってはしまいますが、またよめいりの方も少しずつ更新していけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。